Question ガウスの消去法を説明してください。 ———- Answer ガウスの消去法は、連立一次方程式を解くための手法の一つです。 まず、与えられた連立一次方程式を行列の形式で表します。例えば、以下のような形です。 Ax = b ここで、Aは係数行列、xは未知数のベクトル、bは右辺項のベクトルです。 ガウスの消去法では、係数行列Aを上三角行列に変換することを目指します。上三角行列は、対角線より上の要素が全て0である行列のことです。 具体的な手順は以下の通りです。 1. まず、第1列の最上行から始め、対角要素が0でない行を選びます(この行を「基準行」と呼びます)。 2. 基準行の対角要素を1にするため、基準行を基準要素で割ります。 3. 基準行の対角要素以下の要素を0にするため、基準行を他の行から引きます。 4. 2と3の手順を、次の列から最終列まで繰り返します。 これによって、係数行列Aが上三角行列に変換されます。 次に、後退代入を行い、未知数xを求めます。 1. 最終行の解は、最終列の右辺項を対角要素で割ることで求めます。 2. 次に、上から2番目の行の解を求めます。この行の対角要素を右辺項から、他の行の解と係数行列の対応する要素を掛けた値を引くことで求めます。 3. これを、最上行まで繰り返します。 これによって、連立一次方程式の解を求めることができます。 ガウスの消去法は、連立一次方程式の解を効率的に求める方法であり、数値的な計算に広く利用されています。
Question フェルマーの小定理とは何ですか? ———- Answer フェルマーの小定理(フェルマーのしょうていり、Fermat’s little theorem)は、17世紀のフランスの数学者ピエール・ド・フェルマーによって提案された定理です。この定理は、素数を用いた剰余計算に関連しています。 フェルマーの小定理は、以下のように述べられます: 「p を素数とし、a を p を割り切らない整数とするとき、a^(p-1) を p で割った余りは 1 となる。」 つまり、a^(p-1) ≡ 1 (mod p) となります。 この定理は、a が p の倍数ではない場合に限り成り立ちます。また、p が素数でない場合や a が p の倍数である場合には成り立たないことに注意が必要です。 フェルマーの小定理は、数論や暗号理論などの分野で広く利用されています。特に、素数を用いた暗号の実装や、素数判定などにおいて応用されます。
Question なぜ0の階乗は1と定義されているのですか? ———- Answer 0の階乗が1と定義されるのは、数学的な便宜上の理由からです。 階乗は、自然数nに対して n! と表され、1からnまでの全ての自然数の積を意味します。例えば、5! = 5 × 4 × 3 × 2 × 1 = 120です。 それにも関わらず、0!が1と定義されている理由は、以下のような複数の理由からきています。 1. 空の集合の要素の数としての考え方: 階乗の定義において、n=0の場合、積の対象となる数が存在しないため、0!を空の集合の要素の数として定義することができます。空の集合には要素がないため、それを表すために1と定義されるのです。 2. 再帰的定義の一貫性: 階乗の定義を再帰的に表現すると、n! = n × (n-1)! となります。この再帰的な定義を成り立たせるために、0!を1と定義する必要があります。なぜなら、n=1の場合、1! = 1 × 0! となり、左辺が1であるため、0!は1である必要があるからです。 このような理由から、0の階乗は1と定義されるのです。